完全リモートワークの新会社「ネクストモード」をクラスメソッドと一緒に作ってみた
Nextmode株式会社の設立
ワインをこよなく愛する里見です。
7月1日にNTT東日本とクラスメソッドでNextmode株式会社を設立することになりました。大好きなクラスメソッドと一緒に会社を作れる日が来るとは、胸熱です。クラスメソッドのエンジニア魂と、NTT東日本の堅実なオペレーションを組み合わせることで、クラウドであたらしい働き方を提案していきたいと思います。
会社の概要については、プレスリリースをご覧ください。
また、技術的な内容は下記をご覧ください
AWSを使いはじめてから会社設立までで苦労したこと
6年前にNTT東日本ではじめてAWSを導入した後は、一歩一歩、階段をあがるように、徐々にNTT東日本での働き方が変わっていきました。何年もやっていると気が付かないぐらいの小さな変化の積み重ねですが、途中から参加するメンバーには衝撃のようです。最初は働き方を変えようと思ってクラウドを使ったわけではないのですが、効果はボディーブローのようにジワジワと効いてきました。いろんな人の協力もあり、クラウドを使うことで、確実に働きやすい環境になりました。
最初はコスト削減や効率化を狙ってクラウドを使いはじめましたが、徐々に柔軟性や俊敏性を得るためにクラウドを使うようになりました。社内の部署ごとの特性に合わせてクラウドの使い方を変えるのが良いことにも途中で気が付きました。
NTT東日本でのクラウドの活用は、順風満帆ではありませんでした。クラウドの導入にあたっては、セキュリティは大丈夫なのか、ベンダーロックインされるんじゃないか、ノウハウが流出するんじゃないか、等、様々な意見をもらいました。「AWSでシステムを作るなんて、本当にやろうとしてるのか」「このシステムの重要性がわかってない」等と、打合せでガチギレされたことも何度かありました。また、導入した後も、担当者の異動でAWSの設定がカオスになったり、無駄なコストがかかったり、AWSの障害で片系運転になったり、色々なことを乗り越えてきました。
社員のモチベーションにもクラウドは影響を与えました。クラウドの常識を社内の常識にすぐにはできない大企業の事情に耐えるメンバーだけではなく、制限された形でしかクラウドが使えないフラストレーション(例:SaaSが使えない、等)を抱えるメンバーがでてきて、何人かは転職していきました。また、社内へのクラウドの広がりとともに、MODE1の社員(安定性重視のシステムを支える人)がクラウドに関わるようになると、本来のクラウドの柔軟性が失われたりもしました。このようなバイモーダルITで言うところのMODE1の社員とMODE2の社員(機動性と柔軟性を重視するシステムを支える人)のカルチャーギャップに対しては、MODE1の社員には変化のキッカケを与える機会として研修制度やドキュメントを用意したり、MODE2社員だけの特別チームを作ったり、外部の会社へのトレーニーを実施したり、NTTグループ横断で技術コミュニティを開催したり、様々な試行錯誤で乗り越えてきました。
新会社、Nextmode株式会社では、NTT東日本でクラウドを使ってきた経験を少しでもお客さまにお伝えできればと思っています。社内のセキュリティ部門の説得方法、オンプレのエンジニアの巻き込み方、シャドーITの「正しい」導入方法、クラウドガイドラインの整備、等々、苦労してきたこと、乗り越えてきたことが他の会社でも使えると思います。NTT東日本のような、ある意味でレガシーな会社でやれたことですから、他の企業でできないはずはありません。クラウドをどうやって使っていこうか悩んでいるお客さま、エンジニアが不足していて困っているお客さまに、MODE1からMODE2への移行を支援することで、クラウドでもっと働きやすい環境が作れることを示していきたいと思います。
Nextmodeホームページ https://nextmode.co.jp/
どんな会社にしたいという思いからSaaSを選んだか
新会社だけでなく、世の中のすべての会社を昭和の働き方から令和の働き方に変えたいという思いから、組織や制度を考えていきました。
- 社員全員がリモートワークしやすい環境にする
- 完全性よりスピードを重視する
- チャットやファイル共有を社外と可能にする
- 印刷、押印、郵送のための出社をやめる
- 勤怠や旅費のチェックは人力でやらない
- 社内会議でのキレイな説明資料を不要にする:パワーポイント禁止
- 稟議の回覧や決裁のフローを簡潔にする
- バックヤード業務の効率化
- 顧客管理、課題管理でExcelを使わない
- ゼロトラストの環境で社員に自由に働いてもらう
技術的な興味から使いたいツールはたくさんあるのですが、あくまで目的は上記であることに立ち返って、導入しやすい実績のあるものから選びました。これにより、国親思想(パターナリズム)で社員の働き方を監視するのではなく、自由と自治によって能力を最大限に発揮できる会社にしていきたいと思っています。
使ってみたSaaS
Nextmode株式会社はオフィスを持ちません。登記上の小さなオフィスは持ちますが、社員はすべてリモートワークです。そのため、バックヤードのシステムはすべてクラウド上にある必要があります。
SaaSの選定にあたっては、クラウドの構築・保守で使うものについてはエンジニアが使いやすいものを選びました。G suite、backlog、slack、zendesk、onelogin、等がそれにあたります。
一方、バックヤードで利用するSaaSについては、会社の仕組みと深く関係する為、マネージャーで決めていきました。king of time、freee、netskope、toreru、等がそれにあたります。
- G suite グループウェア ストレージ
- backlog 課題/プロジェクト管理
- slack チャット
- zendesk ヘルプデスク
- onelogin シングルサインオン
- king of time 勤怠管理
- freee 会計・経理
- netskope セキュリティ
- toreru 商標登録
昭和の働き方から令和の働き方にという思いにあてはめると以下になります。
- 社員全員がリモートワークしやすい環境にする G suite
- 完全性よりスピードを重視する backlog zendesk
- チャットやファイル共有を社外と可能にする slack G suite
- 印刷、押印、郵送のための出社をやめる Docusign/クラウドサインで選定中
- 勤怠や旅費のチェックは人力でやらない king of time
- 社内会議でのキレイな説明資料を不要にする:パワーポイント禁止 G suite
- 稟議の回覧や決裁のフローを簡潔にする GSuiteに親和性のあるSaaSを選定中
- バックヤード業務の効率化 freee
- 顧客管理、課題管理でExcelを使わない Backlog
- ゼロトラストの環境で社員に自由に働いてもらう netskope
最後に
Nextmode株式会社で使っているSaaSはエンタープライズ企業でも安心して使えるように、世の中で広く使われているSaaSを選んでいます。SaaSのショールームとして会社を運営していきますので、リモートワークについて是非ご相談ください。